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FXにおいて損切をしないとどうなるのか徹底検証!

アイキャッチ画像44 FXにおいて損切をしないとどうなるのか徹底検証!FX

・損失を出したくないから損切りしたくない

・損切りしなくても価格はいつか戻ってくるんじゃないの?

こんな悩みを解決します。

結論:損切なしのトレードは値が戻ってくることをお祈りするギャンブルトレード

FXについて調べていると損切りなしの手法を目にすることがあると思います。

色々なサイトを見てみると「価格は戻ってくるので損切は不要」や「損切は必須」などの記載があると思います。

しかし実際に損切りをしないとどうなるのか検証しているサイトは少ないです。

そこで今回はEAを作成し、損切りしないとどうなってしまうのか、
破産してしまうのかそれとも以外にも勝ててしまうのかどうか検証していきます。

なお、その他の検証・解説記事については以下よりまとめています。

FXにおけるトレード手法 検証記事まとめ
このページではこれまで書いたFXの手法検証・解説記事を一覧にしてまとめています。このページから全ての手法検証・解説の個別記事に飛ぶことが可能です。
この記事の内容
  • FXにおける損切の必要性
  • FXで損切りをしないとどうなるのか検証環境と検証するルール
  • FXで損切りをしないとどうなるのか検証
  • マーチンゲール法を組み込んだEA
  • FXにおいて損切をしないとどうなるのか徹底検証:まとめ
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FXにおける損切の必要性

FXに限ることではありませんが、株など金融商品全般の取引をする際、損切は必ず設定するように言われています。

そもそもなぜ損切が必要なのでしょうか。

当然ですがFXではポジションを一度建てるとそのポジションは損失になるか利益になるか二つに一つとなります。

建値撤退などでプラスマイナスゼロとなる場合もありますが、スプレッドや手数料があるため建値撤退では基本的に損失になるので基本的には損失か利益かのどちらかとなるはずです。

そして損失と利益のうち自身がコントロールできるのは損失のみです。

ここで言うコントロールとは、最悪の場合でも損失がいくらになるか決められるということです。
逆に利益でいうと最高でいくらの利益が出るか決められるということになります。

FXで損切りをしないとどうなるのか検証環境と検証するルール

検証環境は以下の通りです。

項目説明
MT4Axiory MetaTrader4
Version 4.00 build 1340
ヒストリカルデータ取得元デューカスコピージャパン
通貨ペアUSDJPY
テスト期間2004年1月1日~2020年12月31日
テストモード始値のみ(※1)
スプレッド固定:3pips
時間軸日足
証拠金通貨USD(米ドル)
初期証拠金10,000USD

※1 EAの仕様上、ローソク足確定時に四つ値を参照するだけなので始値のみにしています。

また、テスト用EAは「FXでコイントス手法は勝てる?トムバッソのコイントス手法を徹底検証」に使用したEAから損切設定を除いたものになります。

具体的なルールは以下の通りです。

検証ルール
  1. 二分の一の確率でランダムに売りか買いを行う
  2. ポジションを保持している間は新たにポジションは建てない
  3. ロット数は10,000通貨
  4. 損切はなし
  5. 利確は50pipsで固定

利益はどれだけやっても50pipsですが損切はないので損失は青天井となっています。

つまり常に1トレードの許容損失はトレード資金の100%であるのに対して
利益は最大でもトレード資金の0.5%(1ドル=100円換算で5,000円)しか得られないことになります。

なお実際には強制ロスカットがあるので、損失額はトレード資金の100%ではなく、強制ロスカット水準の値になります。

損切しないトレード手法の検証

それでは実際に検証していきます。

なお完全にランダムエントリーとなるります。
その偏りの影響を少しでも軽減するために10回ずつ同設定でテストを行い、その平均を使用して比較を行います。

検証結果

検証結果は以下の通りとなります。

No平均12345678910
純益1844.071298.051300.99179.59595.744901.4803.045487.48-672.66327.574219.5
総利益3921.6173173.863678.823084.892745.646196.073083.617424.71682.722637.295508.57
総損失-2077.545-1875.81-2377.82-2905.3-2149.9-1294.67-2280.57-1937.22-2355.38-2309.72-1289.06
プロフィットファクタ2.1671.691.551.061.284.791.353.830.711.144.27
期待利得12.88116.0313.842.167.7430.269.6829.99-14.014.6128.51
絶対ドローダウン2810.9722415.672161.753307.153384.252450.743729.78921.33621.322648.723469.04
最大ドローダウン4365.2533694.434807.384820.54820.53694.434820.52619.474760.564807.384807.38
相対ドローダウン(%)37.62832.7638.0241.8742.1532.8643.4620.4842.7439.5442.4
総取引数10381948377162831834871148
売りポジション数48.243434033733988203370
売りポジション勝率(%)91.41888.3793.029590.9191.7892.3195.458590.9191.43
買いポジション数54.838514344894495283878
買いポジション勝率(%)94.19597.3794.1295.3590.9196.6393.1896.8489.2992.1196.15
勝利トレード数96.475887970153771764265139
勝率(%)92.86592.5993.6295.1890.9194.4492.7796.1787.591.5593.92
負けトレード数6.66647967669
負率(%)7.1357.416.384.829.095.567.233.8312.58.456.08
最大勝トレード45.37945.9544.8345.1844.7946.3144.9650.0243.4544.3243.98
最大敗トレード-1171.518-930.93-1442.53-2077.37-1247.37-376.97-1363.95-1034.34-1442.53-1442.53-356.66
平均勝トレード40.53942.3241.839.0539.2240.540.0542.1940.0640.5739.63
平均敗トレード-346.383-312.63-396.3-726.33-307.13-143.85-380.1-276.75-392.56-384.95-143.23
最大連勝数32.919393227332555163449
最大連敗数1.41212111221
最大連勝金額1321.621759.841679.911099.051126.251433.07983.262213.86645.121408.761867.09
最大連敗金額-1173.226-930.93-1442.53-2077.37-1264.45-376.97-1363.95-1034.34-1442.53-1442.53-356.66
平均連勝15.61318201417132581315
平均連敗11111111111

検証結果の考察

はっきり言って惨敗すると思っていたのでかなり意外な結果となりました。

10回テストしたうち9回でプラスになっています。
平均勝率も92.86%とほぼ負けなしです。

1回だけマイナスとなったトレードの負け分も-672USDとかなり少額で、なんとなく破産しない良いEAに見えます。

ただし最大ドローダウンの平均は4635USDとトレード資金の46%近いドローダウンがあります。
しかもこれはトレード資金10,000USD(約100万円)で1万通貨という比較的小ロットでのトレードにおいて発生しているドローダウンです。

1万通貨では100pipsの損失を抱えても1万円強、トレード資金に対して1%強程度の損失しか発生しません。

今回の検証ルールでは必ず1ポジションしか保有しないため、
最大ドローダウン4635USDとなると、46~47万円の損失を抱えたままポジションをホールドし続けたことになります。

このときの1ポジションあたりの利益と損失の比率は損失:利益 = 92:1です。
利益の92倍の損失を抱えたままポジションをホールドし続けていることになります。

また、取引回数を見てみると、2004年~2020年までの長期間にもかかわらず平均取引回数は103回です。

204ヶ月のうち103回なので2ヶ月に1回程度もトレードしていないようです。
これは含み損になっている期間が長く、1ポジションを長くホールドし続けているためだと思います。

かなり長期間にわたって1ポジションをホールドしているのでスワップによるマイナス分もかなり多そうです。

以上のことから、今回プラスになっているトレードはほぼ負けなしと言っていい高い勝率によって支えられているということがわかります。

そしてこの勝率の原因は、どんなに損失を抱え込んでもポジションをホールドし続けて価格が戻ってくるのを待ち続けていることにあります。

今回のEAの中では長いもので数年にわたってポジションをホールドし続けている場合がありましたが、そんなことは人間には間違いなくできません。

もしも恐怖に負けて損切りを行ったとき、このルールではもうプラスに持っていくことはできません。
このルールはほとんど負けないということが前提のルールだからです。

これらから、損切をせずにトレードを行うことはただのギャンブルと言わざるを得ないでしょう。

FXにおいて損切をしないとどうなるのか徹底検証:まとめ

今回の検証ルールでは意外なことに損切りをしなくても、10回中9回はプラスになるという結果でした。

そしてそれは、ほぼ負けなしというような高い勝率に支えられていました。

しかもその高勝率は利益の92倍もの損失を抱えても、
ポジションをホールドし続けて価格が戻ってくることを待つことで達成されています。

もしも今回のEAと同じようなことができる人であれば、もしかしたら検証結果通りにプラスになるかもしれません。

しかしほとんどの人の場合、莫大な損失を抱えてもポジションをホールドし続けることは難しいと思います。

また、価格が戻ってくるかどうかは根拠もないまさにギャンブルです。

よって、損切なしでトレードすることは現実的ではないと言わざるを得ません。

おそらくすべての通貨ペアでも同じ結果になりますが、
今回はFXのUSDJPYで検証を行ったので、少なくともUSDJPYの日足ではこのような結果になりました。

以下より今回の検証それぞれ10回分のレポートと検証に使用したEAをダウンロードできます。

興味のある方は是非、考察や追加で検証などを行ってみてください。

今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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