・取引するべき通貨ペアを知りたい
・取引する方向性を知りたい
こんな悩みを解決します。
結論:Currency Strength(通貨強弱チャート)は通貨間の強弱関係を表すチャート
トレードするうえでトレードする対象を選択することやトレードする方向を決定するのはとても重要です。
しかしだからと言ってこれらをどうやって決めれば良いのかよく分かりませんよね。
また、自分なりに決められるけどもっと精度を上げたいという方もいると思います。
今回はそんな方に向けて、とっても便利な「Currency Strength(通貨強弱チャート)」についてご紹介します。
- FXにおけるCurrency Strength(通貨強弱チャート)とは
- FXにおけるCurrency Strength(通貨強弱チャート)の使い方
- FXにおける「Currency Strength(通貨強弱チャート)」とは何か、見方・使い方まで徹底解説!:まとめ
FXにおけるCurrency Strength(通貨強弱チャート)とは
主要8通貨の通貨の強弱の推移をチャート(グラフ)で表示しています。
通貨の強弱を判定するこのツールは、本日の通貨の強弱のほか、日足のデータを用いて中長期の強弱をチェックすることも可能です。
また、通貨単体のランキング形式になっていますので、強さや弱さが一目でわかります。
引用元:OANDA 通貨の強弱チャート
Currency Strength(通貨強弱チャート)は上記引用文の通り、各通貨間の相対的な強弱関係をチャート(グラフ)として表示したものです。
通貨ペアではなく通貨単体(例:USD/JPYの強さではなくUSD単体)の強さになっています。
一般的な使い方としてはCurrency Strengthを見て強い通貨を買い、弱い通貨を売ります。
Currency Strength(通貨強弱チャート)のコンセプトは大手外資系金融機関に勤務していたとされる「くーちゃん」さんが有志のセミナーで発表したものが最初だと言われています。
これをfaiさんがMT4用通貨強弱チャートインジケーターとして開発したのが有名な「KuChart」です。
Currency Strength(通貨強弱チャート)の計算
Currency Strength(通貨強弱チャート)の具体的な計算式は私が一般化できないので省略します。
簡単に言うとUSDのCurrency Strength(通貨強弱チャート)を計算したい場合、以下のようになります。
- USDを含む全通貨ペアの現在と基準点の移動平均の値を算出
- ①の対数をとる
- 基準通貨をそろえて合計
- ③をUSDを含む全通貨ペアの数で割る
わかりにくいと思うので以下で具体例を用いて解説します。
Currency Strength(通貨強弱チャート)の計算の解説
以下ではUSDのCurrency Strength(通貨強弱チャート)を計算する場合を考えてみます。
なお、対象は基軸8通貨(USD、AUD、CAD、CHF、EUR、GBP、JPY、NZD)とします。
Currency Strength(通貨強弱チャート)の計算式は2つの時点の移動平均の値を使用します。
一つ目は現在の移動平均の値(v1)です。
そしてもう一つが基準点の移動平均の値(v2)です。
例えば、4月1日9時時点のCurrency Strength(通貨強弱チャート)を計算する場合、
v1は9時時点の移動平均の値を使用し、v2には4月1日0時時点の移動平均の値を使用します。
そしてv1をv2で割ることで現時点の移動平均の値が占める基準点の移動平均の値の割合を算出します。
この割合が1を超えていると現時点で基準とする時点よりも強く、逆に1を下回ると弱いことになります。
比較するのにスケールを合わせるため、この割合の対数(log)を取ります。(log_val)
log_valをUSDを含む全通貨で算出します。
今回の場合は、AUDUSD、USDCAD,USDCHF、EURUSD、GBPUSD、USDJPY、NZDUSDのlog_valを算出します。
その後、基準通貨を揃えて合計します。
例えば、AUDUSDとUSDCADは基準通貨がUSDとCADで異なります。
そうするとドル高の場合、AUDUSDは右肩下がり、USDCADは右肩上がりとなります。
そのため、合計する際はUSDを基準とするので、USDCAD – AUDUSDとなります。
よって、合計の計算は以下のようになります。
(-AUDUSD + USDCAD + USDCHF – EURUSD – GBPUSD + USDJPY – NZDUSD)
最後にこの合計値を計算した通貨ペアの数で割って、平均をとります。
これでUSDのCurrency Strength(通貨強弱チャート)が計算できます。
FXにおけるCurrency Strength(通貨強弱チャート)の使い方
ここからは具体的なCurrency Strength(通貨強弱チャート)の使い方について解説します。
おおよそ一般的には以下のように使われることが多いです。
- 取引する通貨ペアの選定
- 取引する方向の決定
取引する通貨ペアの選定
1つ目は取引する通貨ペアの選定です。
Currency Strength(通貨強弱チャート)で強い通貨を買って、弱い通貨を売ります。
Currency Strength(通貨強弱チャート)は相対的な通貨の強弱関係を表しているため、
具体的に数値が幾つになれば強い、弱いとは言えず、通貨間の値の乖離を見て判断します。
上記画像を見てみると、赤枠の日はほとんど最初から最後までAUDとJPYが最も離れています。
AUD上にあるためが強く、JPYが下にあるため弱いことがわかります。
ということはAUDJPYを買う戦略を立てていれば勝ちやすかったということになります。
取引する方向の決定
2つ目は取引する方向性の決定です。
1つ目と被るところがありますが、すでに別の方法で取引対象を決定している場合で、方向を判断したい場合などにも使用できます。
先ほどの画像を見てみると、この日は現在開いているチャートの通貨ペア「GBPCHF」は常にGBPがCHFよりも上にあって強くなっていることがわかります。
よって、GBPCHFを取引する場合、買いの戦略が勝ちやすかったということになります。
FXにおける「Currency Strength(通貨強弱チャート)」とは何か、見方・使い方まで徹底解説!:まとめ
Currency Strength(通貨強弱チャート)は各通貨間の相対的な強弱関係をチャート(グラフ)として表示したものです。
通貨ペアではなく通貨単体(例:USD/JPYの強さではなくUSD単体)の強さになっています。
一般的なCurrency Strength(通貨強弱チャート)の使い方には以下の2つがあります。
- 取引する通貨ペアの選定
- 取引する方向の決定
①はその日のうちに一番離れている通貨同士の通貨ペアを取引するなど、取引対象とする通貨ペア自体の選定に使用します。
②はすでに取引する通貨ペアが決まっている場合でも、取引する方向を決めるときにも使用できます。
環境やご自身の持つ戦略に合わせてそれぞれ使い分けてみてください。
いかがでしたでしょうか。
Currency Strength(通貨強弱チャート)について解説しました。
Currency Strength(通貨強弱チャート)はFXにおいてよく利用される指標の一つです。
是非皆さんも一度試してみてください。
なお、以下の記事では私が作成したMT4用Currency Strength(通貨強弱チャート)インジケーターを公開しています。
試してみたい方は是非ご覧ください。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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