・レバレッジって何?
・ハイレバレッジって危ないんじゃないの?
こんな疑問を解決します。
結論:ハイレバレッジは危険ではない
FXについて調べてみると 「FXでレバレッジを上げすぎて借金を作った」などという話をよく目にします。
そこからハイレバレッジ=危険であるというイメージを持っている方も多いと思います。
またこのイメージから派生して、ローレバレッジ = 安全というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
特にFX初心者の方であればハイレバレッジはなんとなく怖いと感じてしまいますよね。
しかし、実際にはハイレバレッジ=危険というわけではありません。
FXで借金を作ってしまう人はハイレバレッジであってもローレバレッジであっても
関係なく借金を作ってしまうのです。
しかし、レバレッジは上手に使えばこの上ない武器になります。
この記事ではそんなレバレッジについて、分かりやすく解説します。
- そもそもハイレバレッジとは
- ハイレバレッジのメリットとデメリット
- 本当にハイレバレッジは危険なのか
- ハイレバレッジをさらに安全に利用するには
そもそもハイレバレッジとは
レバレッジ(leverage)とは直訳すると「てこ」または「てこの原理」となります。
そこから、FXでは自己資金を元手に自己資金以上の取引資金を用意することを指します。
つまり、ハイレバレッジとは
高いレバレッジをかけて、自己資金よりはるかに多くの取引資金を用意することを指します。
たとえば海外FX業者(レバレッジ400倍)の場合で、自己資金が10万円とすると
10万 × 400 =4000万(円) となり、
4000万円分の取引が可能となります。
このレバレッジこそ、FXは資金効率が良いと言われる理由です。
たとえば日本国内における株式の信用取引の場合、取引は自己資金の3倍までしかできません。
そう考えると、海外FX業者はもちろん国内FX業者(25倍)であっても
FXは他の金融商品と比べ、資金効率が良いと言えます。
ハイレバレッジのメリットとデメリット
しかし、ハイレバレッジにもメリットとデメリットが存在します。
メリットは前述の通り、その資金効率の良さです。
対してデメリットは、損失が膨らむことになります。
このメリットとデメリットは表裏の関係です。
自己資金以上の金額を取引に使用する以上、利益も損失も膨らむことは当然のことと言えます。
ハイレバレッジ取引の具体的な損益率
以下に米ドル円(1ドル=100円)を自己資金10万円で取引した際の損益率について掲載します。
(表1) | ポジション | 変動率 0.1% (10pips(※1)) | 変動率 1% (100pips(※1)) |
国内FX業者(25倍) | 2.5万通貨 | 損益率:0.25% (2500円) | 損益率:2.5% (25000円) |
海外FX業者(400倍) | 40万通貨 | 損益率:40% (40000円) | 損益率:400% (400000円) |
※1 pipsについては以下の記事を参照
「FXでよく見るpips(ピップス)とは?その意味から損益の計算方法まで分かりやすく解説」
変動率はポジションを建てた時からどれだけ為替レートが変動したかを指します。
たとえば、為替変動で米ドル円が1ドル=101円になっているとします。
101円は100円の1.01倍、つまり1%増なので、変動率は1%となります。
そうすると国内FX業者の場合の為替変動後のポジション評価額は、
101 × 25,000 = 2,525,000(円)となります。
ここから、ポジションを建てた当時の評価額である2,500,000(円)を引くと
変動後の損益は、2,525,000 - 2,500,000 = 25,000(円)となります。
これをさらにポジションを建てた当時の資金で割ると
25,000 ÷ 100,000 = 0.25となり、損益率2.5%が求められます。
これを海外FX業者に適用すると以下のようになります。
(表2) | 計算式 |
為替変動後のポジション評価額 | 101 × 400,000 = 40,400,000(円) |
変動後の損益 | 40,400,000 - 40,000,000 = 400,000(円) |
損益率 | 400,000 ÷ 100,000 = 4 = 400% |
このようにレバレッジが高ければ高いほど、
利益と損失の両方の金額が大きくなることがわかります。
本当にハイレバレッジは危険なのか
表1を見ると、たしかにレバレッジが高いほうが、
変動する金額が大きい分、危険なように思えます。
しかし、危険かどうかはレバレッジの高さそのものとは関係ありません。
なぜなら、FXの損益は「1通貨あたりの変動額 × ポジション量」で決定するからです。
ハイレバレッジ取引で同じ数量のポジションを持った場合の損益額
表1では、どちらも持ちうる限り最大のポジションを持った場合です。
そこで、国内FX業者と海外FX業者で同様に2.5万通貨分のポジションを持つ場合を考えてみます。
そうすると、以下の通りになります。
(表3) | 国内FX業者 | 海外FX業者 |
レバレッジ | 25倍 | 400倍 |
資本金 | 10万円 | 10万円 |
ポジション | 2.5万通貨 | 2.5万通貨 |
取引金額 | 250万円 | 250万円 |
ポジション保有に 必要な金額 | 10万円 | 6250円 |
変動率 0.1% (10pips) | 損益率:0.25% (2500円) | 損益率:0.25% (2500円) |
変動率 1% (100pips) | 損益率:2.5% (25000円) | 損益率:2.5% (25000円) |
この場合、表3の海外FX業者の保有ポジションは表1の国内FX業者と同量となります。
そのため、表1と同じだけ為替レートが変動したとしても、
国内FX業者も海外FX業者も損益率は変わらないということが分かります。
つまり、損失を小さくしたいのであれば、
ポジション(取引)量を小さくすれば良いということになります。
ハイレバレッジをさらに安全に利用するには
表1の変動率0.1%の場合を損失として考えると、
最大2.5%または40%で損失を抑えられた場合の話と考えられます。
しかし、抑えられなかった場合、つまり損切りできずにズルズルと損を伸ばしてしまった場合、
強制ロスカットと追証について考えなくてはなりません。
強制ロスカットとは、口座残高が一定額を下回った際、それ以上の損失を避けるため、
保有しているポジションが取引システムにより強制的に決済されることを言います。
この強制ロスカットが行われた場合で、口座残高がマイナスになっている場合は、
追証として、口座に追加入金しなくてはなりません。
FXで借金を作ってしまう原因のほとんどはこの強制ロスカットと追証のコンボです。
しかし、追証は海外FX業者には存在しません。
ほとんどの海外業者ではゼロカットシステムという、どれだけ損をしても保有口座残高までをユーザーの損失上限とするシステムが備わっています。
そのため、海外FX業者を利用することで、追証の心配もなくなり、
さらに安全に取引することが可能です。
ハイレバレッジは危険?ローレバレッジは安全?FXにおけるレバレッジを徹底解説:まとめ
いかがでしたでしょうか。
結局のところ、FXで取引する際は自分がどれだけ利益を求めるのか、
どれだけの損失に耐えられるのか考えながら取引していくことになります。
持てるだけポジションを持って取引するんだ!
という人はレバレッジの高低に関わらず退場待ったなしです。
なぜなら、ハイレバレッジであろうとローレバレッジであろうと、
自己資金以上の資金を取引に使用していることに変わりはないからです。
つまりハイレバレッジが危険なのではなく、
ポジション量と口座残高のバランスを考えずに取引することが危険というわけです。
今回の記事では、レバレッジとは何かという解説をおこない、
ハイレバレッジ=危険、ローレバレッジ = 安全という認識が誤りであることにも触れてみました。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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